2026年7月5日
「お着物に触ることでもできればきっと直る」(要約)
聖書箇所: マルコの福音書 5章25〜34節
1、長血の女性
マルコの福音書5章には、12年という長い間病気に苦しんでいただけでなく、社会の中で傷ついていた女性の話が出てきます。女性の病気は婦人科の病気ですが、聖書に「汚れた漏出」とあることから、神殿の中で神に近づくことを禁止され、礼拝で会衆の交わりからも締め出されていました。それだけではありません、彼女は信頼した医者から詐欺被害に会い、全財産を使い果たしていたのです。しかし病気は治らずますますひどくなるばかりでした。今もこのような傷つき体験は珍しくありません。皆さんの中にも、信じていた会社や人に裏切られたり利用されて、傷ついてきた方がおられるのではないでしょうか。
しかし、ある日この女性はイエス様のことを耳にしました。このお方が「時が満ち、神の国は近くなった。悔い改めて福音を信じなさい。」(1章15節) と話していることを知りました。またその教えが、これまでの律法学者と違い、全く新しい、権威ある教えであることや、この方が病人を癒し、悪霊を癒している話も聞きました。彼女は「キリストについてのことば」を聞き、信仰を持ったのです。そして彼女のうちに1つの確信が生まれました。「あの方のお着物にでも触ることができれば、(自分の病は)きっと直る」と言う確信です。
彼女は大勢の人々の中に紛れ込み、イエス様の後ろから近づきます。彼女が、前ではなく後ろからイエス様に近づいたのは、病気の癒しのことで頭がいっぱいだったのかもしれません。また自分の「汚れ」ていることが誰にも気づかれないようにしようと考えたのかもしれません。彼女がイエス様の着物に触れると、「すぐに血の源が枯れて、ひどい痛みが治った」、そのことを体に感じたのです。彼女は癒されたのです。
イエス様は、ご自分のうちから力が外に出て行ったので、誰かが自分の着物に触ったことに気づきました。彼女の信仰がイエス様に伝わり、イエス様はその彼女の信仰を受け止められたのです。信仰のよる祈りは、目には見えませんが、確実にイエス様に届くのです。
2 信仰とは何か
イエス様は彼女に「あなたの信仰があなたを救った」と言われました。このことは、彼女が造り出した信仰が彼女を救ったという意味ではありません。信じると言うことは「人間の行為」ではなく、「人間のうちにおける神の働き」です。カテキズム問106に「私たちは、自分の理性や力によっては、イエス・キリストを信じることも、みもとに来ることもできません。」とあるとおりです。
彼女は、神様の働きで、神様の恵みに、生きた強い信頼を持つようにされました。それでイエス様が自分の病を必ず癒して下さること、着物に触るだけで十分だと信じました。私たちはどこかで「自分の信仰」的努力に頼っていないでしょうか。
3 信仰によって生きる
この信仰は、イエス・キリストを救い主として信じる信仰です。イエス様が私の罪のために死んでくださったことを信じます。またイエス様が3日目に甦り、今も生きておられることを信じます。罪の赦しと新しいいのちを与えられたことを信じる信仰です。
ヘブル人への手紙11章1節には「信仰は、望んでいることを保証し、目に見えないものを確信させるものです。」とあります。神様が、イエス・キリストの十字架によって、私の罪を赦してくださったということと、今、自分に対して恵み深いと言うことを信じましょう。もし心のうちに罪があるなら悔い改めて、イエス様の赦しをいただきましょう。この聖書の女性のように心に傷ある方は、イエス様に祈りましょう。イエス様はその心の傷を癒して、新しいいのちに回復させてくださいます。イエス様への信仰を日々新たにさせていただきましょう。
説教者:加藤 正信 長老
<マルコの福音書 5章25〜34節>
25 ところで、十二年の間長血をわずらっている女がいた。
26 この女は多くの医者からひどいめに会わされて、自分の持ち物をみな使い果たしてしまったが、何のかいもなく、かえって悪くなる一方であった。0
27 彼女は、イエスのことを耳にして、群衆の中に紛れ込み、うしろから、イエスの着物にさわった。
28 「お着物にさわることでもできれば、きっと直る」と考えていたからである。
29 すると、すぐに、血の源がかれて、ひどい痛みが直ったことを、からだに感じた。
30 イエスも、すぐに、自分のうちから力が外に出て行ったことに気づいて、群衆の中を振り向いて、「だれがわたしの着物にさわったのですか」と言われた。
31 そこで弟子たちはイエスに言った。「群衆があなたに押し迫っているのをご覧になっていて、それでも『だれがわたしにさわったのか』とおっしゃるのですか。」
32 イエスは、それをした人を知ろうとして、見回しておられた。
33 女は恐れおののき、自分の身に起こった事を知り、イエスの前に出てひれ伏し、イエスに真実を余すところなく打ち明けた。
34 そこで、イエスは彼女にこう言われた。「娘よ。あなたの信仰があなたを直したのです。安心して帰りなさい。病気にかからず、すこやかでいなさい。」"