2024年5月5日
「神を信じるヒゼキヤ王」(要約)
旧約聖書:列王記 第U19章
私たちは、家庭や、職場や、教会でトラブルや問題が起きて、どうすれば良いかわからない、本当に困った、苦しんだという経験をすることがあります。職場の問題で苦しい立場に立たされた、家族との関係で悩んだ、病気で入院しなければならなくなったなど。南王国ユダの13番目の王であるヒゼキヤもその1人でした。
(1) ヒゼキヤ王
彼はイスラエルの神、主に心から信頼する王でした。18章6節に「彼は堅く主にすがって離れることなく、主がヒゼキヤに命じられた命令を守った。」と書かれています。
ヒゼキヤ王は、まず自分の国から徹底的に偶像を排除しました。偶像とは、まことの神以上にその人が最も信頼しているもの。ヒゼキヤ王が排除したのは、高きところ、石の柱、アシェラ像、モーセの造った青銅の蛇ですが、今なら、お金、名誉、暮らし向きの自慢、AI依存でしょうか。私たちは、イエス・キリストの神以外はみな偶像だと言うことを知っています。彼は、またソロモン王以来行われてなかった過越の祭りを復活させ、城壁の補強、水道トンネルの整備、強力な軍隊も整えました。
(2) 包囲されたエルサレム
しかし、ヒゼキヤが王になってから4年目にアッシリア王が大軍を率いてエルサレムに攻めてきます。アッシリヤは当時エジプトを含む全オリエントを統一した世界最大最強の軍事国家。この時北王国イスラエルは滅ぼされます。ヒゼキヤ王は貢物を収めたので、一旦は引き上げていきましたが、莫大な貢物を要求されます。
(3) ラブ・シャケの挑発
しかし、この後再びアッシリアはエルサレムに大軍で攻めてきます。アッシリア軍の司令官ラブ・シャケは、一般の民衆にもわかる言葉で、ヒゼキヤとエルサレムの人たちを挑発します。(18章17節から35節)嘘も交えてヒゼキヤとエルサレムの人たちを不安にさせ、気持ちをくじこうとしたのです。アッシリヤ王センナケリブもヒゼキヤに、「我々が滅ぼした国々の神は、彼らを救い出すことができなかった。お前達だけ救い出されると言うのか。」と書き送ってきました。(19章10節から13節)
(4) ヒゼキヤの祈りと勝利
客観的には戦っても勝てる相手ではない。自分たちは殺されるか奴隷になるかもしれない。民が反乱を起こしてアッシリアの側に付き、自分は殺されるかもしれないという状況。絶体絶命のピンチです。
しかしこの時ヒゼキヤは神に信頼しました。彼は痛み悲しんで神殿に入り、自分の側近を預言者イザヤに遣わし主に祈ってもらいます。また神様の前にアッシリア王の手紙を広げて祈り、まことの神を褒め讃え、自分たち神の民の救いを求めたのです。
すると、イザヤを通して主のことばがヒゼキヤに伝えられました。(19章20節、28節)神様はヒゼキヤに、アッシリアの鼻に鉤輪を、口にくつわをはめ、もと来た道に引き戻すことと、エルサレムを守って救うことを告げたのでした。
その夜主の使いが出て行き、アッシリヤ軍18万5千人を打ち殺した、と書かれています。大勝利です。アッシリヤの王は来た道を帰っていきました。
(5) まとめ
このヒゼキヤの祈りから3つのことを学ぶことができます。
@この神の他に全世界のどこにもまことの神はいない。
イザヤ書44章6節には「わたしは初めであり、わたしは終わりである。わたしのほかに神はいない。」とあります。
A主は御耳を傾けて聞き、御目を開いて見てくださる。
ヒゼキヤは神の前に、声を上げ、アッシリア王センナケリブの手紙を開いて祈りました。主は私たちの祈りに耳を傾けて聞いてくださる、目を開いて見てくださる方です。
B主は敵の手から私たちを救ってくださる方
神は私たちの苦難に際して行動してくださる方です。ヒゼキヤの祈りによって南王国ユダの人たちは救われました。
サタンは、あなたが苦しい時、あなたを不安にさせ、神ではないものに信頼させようとします。あなたをまことの神から引き離そうとするものがあれば、それはラブ・シャケの挑発、センナケリブの手紙と同じです。
詩篇50篇15節「苦難の日にはわたしを呼び求めよ。わたしはあなたを助け出そう。」
家庭で、教会で社会で苦しいとき、行き詰まったときは、神様を信頼し、祈りましょう。私たちは、御子イエス様の血によって罪と死から救われ、永遠のいのちを与えられました。私たちはこの天の父の子どもなのです。(ヨハネ16章23節、27節)また一人で不安なときは一緒に祈りましょう。ヒゼキヤとイザヤは一緒に祈り、助けを求めました。(U歴代誌32章20節)
まことの神に信頼することの大切さを教えているのが十戒の第一戒です。十戒は、私たちに、神様が聖なる方であることを示し、私たちの不信仰に、また私たちの罪に気づかせ、悔い改めと福音のもとに導いて下さいます。今週もあなたに、神様の愛とイエス様の恵みが豊かにあるようにお祈り致します。
説教者:加藤 正伸 長老
<列王記 第二 19章1〜37節>
1 ヒゼキヤ王は、これを聞いて、自分の衣を裂き、荒布を身にまとって、主の宮に入った。
2 彼は、宮内長官エルヤキム、書記シェブナ、年長の祭司たちに、荒布をまとわせて、アモツの子、預言者イザヤのところに遣わした。
3 彼らはイザヤに言った。「ヒゼキヤはこう言っておられます。『きょうは、苦難と、懲らしめと、侮辱の日です。子どもが生まれようとするのに、それを産み出す力がないのです。
4 おそらく、あなたの神、主は、ラブ・シャケのすべてのことばを聞かれたことでしょう。彼の主君、アッシリヤの王が、生ける神をそしるために彼を遣わしたのです。あなたの神、主は、その聞かれたことばを責められますが、あなたはまだいる残りの者のため、祈りをささげてください。』」
5 ヒゼキヤ王の家来たちがイザヤのもとに来たとき、
6 イザヤは彼らに言った。「あなたがたの主君にこう言いなさい。主はこう仰せられる。『あなたが聞いたあのことば、アッシリヤの王の若い者たちがわたしを冒涜したあのことばを恐れるな。
7 今、わたしは彼のうちに一つの霊を入れる。彼は、あるうわさを聞いて、自分の国に引き揚げる。わたしは、その国で彼を剣で倒す。』」
8 ラブ・シャケは退いて、リブナを攻めていたアッシリヤの王と落ち合った。王がラキシュから移動したことを聞いたからである。
9 王は、クシュの王ティルハカについて、「今、彼はあなたと戦うために出て来ている」ということを聞いたとき、再び使者たちをヒゼキヤに送って言った。
10 「ユダの王ヒゼキヤにこう伝えよ。『おまえの信頼するおまえの神にごまかされるな。おまえは、エルサレムはアッシリヤの王の手に渡されないと言っている。
11 おまえは、アッシリヤの王たちがすべての国々にしたこと、それらを絶滅させたことを聞いている。それでも、おまえは救い出されるというのか。
12 私の先祖たちはゴザン、ハラン、レツェフ、および、テラサルにいたエデンの人々を滅ぼしたが、その国々の神々は彼らを救い出したのか。
13 ハマテの王、アルパデの王、セファルワイムの町の王、また、ヘナやイワの王は、どこにいるか。』」
14 ヒゼキヤは、使者の手からその手紙を受け取り、それを読み、主の宮に上って行って、それを主の前に広げた。
15 ヒゼキヤは主の前で祈って言った。「ケルビムの上に座しておられるイスラエルの神、主よ。ただ、あなただけが、地のすべての王国の神です。あなたが天と地を造られました。
16 主よ。御耳を傾けて聞いてください。主よ。御目を開いてご覧ください。生ける神をそしるために言ってよこしたセナケリブのことばを聞いてください。
17 主よ。アッシリヤの王たちが、国々と、その国土とを廃墟としたのは事実です。
18 彼らはその神々を火に投げ込みました。それらは神ではなく、人の手の細工、木や石にすぎなかったので、滅ぼすことができたのです。
19 私たちの神、主よ。どうか今、私たちを彼の手から救ってください。そうすれば、地のすべての王国は、主よ、あなただけが神であることを知りましょう。」
20 アモツの子イザヤはヒゼキヤのところに人をやって言わせた。「イスラエルの神、主は、こう仰せられます。『あなたがアッシリヤの王セナケリブについて、わたしに祈ったことを、わたしは聞いた。』
21 主が彼について語られたことばは次のとおりである。処女であるシオンの娘はあなたをさげすみ、あなたをあざける。エルサレムの娘はあなたのうしろで、頭を振る。
22 あなたはだれをそしり、ののしったのか。だれに向かって声をあげ、高慢な目を上げたのか。イスラエルの聖なる方に対してだ。
23 あなたは使者たちを使って、主をそしって言った。『多くの戦車を率いて、私は山々の頂に、レバノンの奥深く上って行った。そのそびえる杉の木と美しいもみの木を切り倒し、私はその果ての宿り場、木の茂った園にまで入って行った。
24 私は井戸を掘って、他国の水を飲み、足の裏でエジプトのすべての川を干上がらせた』と。
25 あなたは聞かなかったのか。昔から、それをわたしがなし、大昔から、それをわたしが計画し、今、それを果たしたことを。それであなたは城壁のある町々を荒らして廃墟の石くれの山としたのだ。
26 その住民は力うせ、おののいて、恥を見、野の草や青菜、育つ前に干からびる屋根の草のようになった。
27 あなたがすわるのも、出て行くのも、入るのも、わたしは知っている。あなたがわたしに向かっていきりたつのも。
28 あなたがわたしに向かっていきりたち、あなたの高ぶりが、わたしの耳に届いたので、あなたの鼻には鉤輪を、あなたの口にはくつわをはめ、あなたを、もと来た道に引き戻そう。
29 あなたへのしるしは次のとおりである。ことしは、落ち穂から生えたものを食べ、二年目も、またそれから生えたものを食べ、三年目は、種を蒔いて刈り入れ、ぶどう畑を作ってその実を食べる。
30 ユダの家ののがれて残った者は下に根を張り、上に実を結ぶ。
31 エルサレムから、残りの者が出て来、シオンの山から、のがれた者が出て来るからである。万軍の主の熱心がこれをする。
32 それゆえ、アッシリヤの王について、主はこう仰せられる。彼はこの町に侵入しない。また、ここに矢を放たず、これに盾をもって迫らず、塁を築いてこれを攻めることもない。
33 彼はもと来た道から引き返し、この町には入らない。−−主の御告げだ−−
34 わたしはこの町を守って、これを救おう。わたしのために、わたしのしもべダビデのために。」
35 その夜、主の使いが出て行って、アッシリヤの陣営で、十八万五千人を打ち殺した。人々が翌朝早く起きて見ると、なんと、彼らはみな、死体となっていた。
36 アッシリヤの王セナケリブは立ち去り、帰ってニネベに住んだ。
37 彼がその神ニスロクの宮で拝んでいたとき、その子のアデラメレクとサルエツェルは、剣で彼を打ち殺し、アララテの地へのがれた。それで彼の子エサル・ハドンが代わって王となった。