2023年10月1日



「心を騒がしてはなりません」


新約聖書:ヨハネの福音書14章1節〜31節



自分や家族の健康のこと、子育てや仕事のこと、教会のこと、戦争や自然災害のことなど、私たちの不安や心配は尽きません。どうしたらいいか、どの道を行けばいいのか迷います。今日の聖書箇所から、主の慰めと励ましを学びましょう。


最後の晩餐でイエス様は、弟子の1人がご自身を裏切ることを告げます。また「わたしが行く所に、あなたは今はついて来ることができません。しかし後にはついて来ます。」と言われました。弟子たちはそのことばに強い不安と恐れを感じます。この時イエス様が弟子たちを慰め、励ましたみことばが14章です。

1節でイエス様は「あなたがたは心を騒がしてはなりません。神を信じ、またわたしを信じなさい。」「あなたがたのために、わたしは(父の家に)場所を備えに行くのです。…あなたがたに場所を備えたらまた来て、あなたがたをわたしのもとに迎えます。」と言われました。場所とはイエス様を信じる者が永遠に神様とともに住む住まいのことです。

しかし弟子たちは不安です。トマスは「主よ。どこへいらっしゃるのか、私たちにはわかりません。どうしてその道が私たちにわかりましょう。」(5節)と尋ねます。そこでイエス様は「わたしが道であり、真理であり、いのちなのです。わたしを通してでなければ、だれひとり父のみもとに来ることはありません。」と言われます。

8節では、ピリポが「主よ。私たちに父を見せてください。そうすれば満足します。」と言うと、イエス様は「わたしを見た者は、父を見たのです。」と答えます。これはイエス様と天地の創造者である神は一つであるということです。  

16節で、イエス様は御霊のことを話されます。「わたしは父にお願いします。そうすれば、父はもうひとりの助け主をあなたがたにお与えになります。その助け主がいつまでもあなたがたと、ともにおられるためにです。」助け主とは「真理の御霊」のことです。イエス様は、「世はその方を受け入れることができません。しかしあなたがたはその方を知っています。その方はあなたがたとともに住み、あなたがたのうちにおられる。」と言われました。

このようにイエス様は、ご自身のこと、天地の創造主のこと、聖霊のことを語りました。三位一体の神様のことです。その神様が弟子たちと親しく交わるというのです。

21節で「わたしの戒めを保ち、それを守る人は、わたしを愛する人です。わたしを愛する人はわたしの父に愛され、わたしもその人を愛し、わたし自身を彼に現します。」とありますが、イエス様の戒めとは、イエス様を信じる者が互いに愛し合うことです。


ここでイスカリオテではないユダがイエス様に訪ねます。イエス様は自分たちにご自分を現そうとするが、なぜ世にはそうしないのか、と。イエス様は、世がご自分を愛さず、拒んでいるからだと説明されます。

27節で「わたしは、あなたがたに平安を残します。わたしは、あなたがたにわたしの平安を与えます。」と言われます。これは、イエス様が与えるものは世が与えるものとは違う。だから心を騒がしてはならない。恐れてはならないと言う意味です。


先週の新宮長老の説教は、ヤコブが叔父ラバンのところから父の家に向けて出発した箇所でした。ヤコブは、ベテルで誓願を立てたとき、いつかは父の家に帰ろうと思っていましたが、兄エサウへの恐怖や予想されるラバンの反応のために決心がつきませんでした。20年という年月も関係していたのかもしれません。しかしヤコブは、主の「あなたが生まれた、あなたの先祖の国に帰りなさい。わたしはあなたとともにいる」ということばに従いました。そのヤコブに神は平安を与えられました。


(勧め)

私たちは、イエス様を知らない世界の中で、翻弄され、影響を受けながら生きています。しかし安息日を守ることが難しいとき、牧師や他のクリスチャンと交わりを持てないとき、どのような道を進んだらよいか分からなくなるかもしれません。しかし、私たちのうちにおられるイエス様は生ける神の御子キリスト。その方が「わたしは平和を与える、だから心を騒がしてはならない、恐れてはならない」と言われます。

あなたは今試練にあっているでしょうか。誘惑に合っているでしょうか。恐れないで神を信じましょう。主は道です。真理でありいのちです。キリストにとどまりましょう。もし心の内に罪があるなら、主にそれを申し上げましょう。主は赦し、聖め、平安を与えてくださいます。

「あなたがたは心を騒がしてはなりません。神を信じ、またわたしを信じなさい。」



説教:加藤 正伸 長老



<ヨハネの福音書 14章1〜31節>

1 「あなたがたは心を騒がしてはなりません。神を信じ、またわたしを信じなさい。

2 わたしの父の家には、住まいがたくさんあります。もしなかったら、あなたがたに言っておいたでしょう。あなたがたのために、わたしは場所を備えに行くのです。

3 わたしが行って、あなたがたに場所を備えたら、また来て、あなたがたをわたしのもとに迎えます。わたしのいる所に、あなたがたをもおらせるためです。

4 わたしの行く道はあなたがたも知っています。」

5 トマスはイエスに言った。「主よ。どこへいらっしゃるのか、私たちにはわかりません。どうして、その道が私たちにわかりましょう。」

6 イエスは彼に言われた。「わたしが道であり、真理であり、いのちなのです。わたしを通してでなければ、だれひとり父のみもとに来ることはありません。

7 あなたがたは、もしわたしを知っていたなら、父をも知っていたはずです。しかし、今や、あなたがたは父を知っており、また、すでに父を見たのです。」

8 ピリポはイエスに言った。「主よ。私たちに父を見せてください。そうすれば満足します。」

9 イエスは彼に言われた。「ピリポ。こんなに長い間あなたがたといっしょにいるのに、あなたはわたしを知らなかったのですか。わたしを見た者は、父を見たのです。どうしてあなたは、『私たちに父を見せてください』と言うのですか。

10 わたしが父におり、父がわたしにおられることを、あなたは信じないのですか。わたしがあなたがたに言うことばは、わたしが自分から話しているのではありません。わたしのうちにおられる父が、ご自分のわざをしておられるのです。

11 わたしが父におり、父がわたしにおられるとわたしが言うのを信じなさい。さもなければ、わざによって信じなさい。

12 まことに、まことに、あなたがたに告げます。わたしを信じる者は、わたしの行うわざを行い、またそれよりもさらに大きなわざを行います。わたしが父のもとに行くからです。

13 またわたしは、あなたがたがわたしの名によって求めることは何でも、それをしましょう。父が子によって栄光をお受けになるためです。

14 あなたがたが、わたしの名によって何かをわたしに求めるなら、わたしはそれをしましょう。

15 もしあなたがたがわたしを愛するなら、あなたがたはわたしの戒めを守るはずです。

16 わたしは父にお願いします。そうすれば、父はもうひとりの助け主をあなたがたにお与えになります。その助け主がいつまでもあなたがたと、ともにおられるためにです。

17 その方は、真理の御霊です。世はその方を受け入れることができません。世はその方を見もせず、知りもしないからです。しかし、あなたがたはその方を知っています。その方はあなたがたとともに住み、あなたがたのうちにおられるからです。

18 わたしは、あなたがたを捨てて孤児にはしません。わたしは、あなたがたのところに戻って来るのです。

19 いましばらくで世はもうわたしを見なくなります。しかし、あなたがたはわたしを見ます。わたしが生きるので、あなたがたも生きるからです。

20 その日には、わたしが父におり、あなたがたがわたしにおり、わたしがあなたがたにおることが、あなたがたにわかります。

21 わたしの戒めを保ち、それを守る人は、わたしを愛する人です。わたしを愛する人はわたしの父に愛され、わたしもその人を愛し、わたし自身を彼に現します。」

22 イスカリオテでないユダがイエスに言った。「主よ。あなたは、私たちにはご自分を現そうとしながら、世には現そうとなさらないのは、どういうわけですか。」

23 イエスは彼に答えられた。「だれでもわたしを愛する人は、わたしのことばを守ります。そうすれば、わたしの父はその人を愛し、わたしたちはその人のところに来て、その人とともに住みます。

24 わたしを愛さない人は、わたしのことばを守りません。あなたがたが聞いていることばは、わたしのものではなく、わたしを遣わした父のことばなのです。

25 このことをわたしは、あなたがたといっしょにいる間に、あなたがたに話しました。

26 しかし、助け主、すなわち、父がわたしの名によってお遣わしになる聖霊は、あなたがたにすべてのことを教え、また、わたしがあなたがたに話したすべてのことを思い起こさせてくださいます。

27 わたしは、あなたがたに平安を残します。わたしは、あなたがたにわたしの平安を与えます。わたしがあなたがたに与えるのは、世が与えるのとは違います。あなたがたは心を騒がしてはなりません。恐れてはなりません。

28 『わたしは去って行き、また、あなたがたのところに来る』とわたしが言ったのを、あなたがたは聞きました。あなたがたは、もしわたしを愛しているなら、わたしが父のもとに行くことを喜ぶはずです。父はわたしよりも偉大な方だからです。

29 そして今わたしは、そのことの起こる前にあなたがたに話しました。それが起こったときに、あなたがたが信じるためです。

30 わたしは、もう、あなたがたに多くは話すまい。この世を支配する者が来るからです。彼はわたしに対して何もすることはできません。

31しかしそのことは、わたしが父を愛しており、父の命じられたとおりに行っていることを世が知るためです。立ちなさい。さあ、ここから行くのです。